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つみきのいえ
| 放送年 | 2008年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | オリジナル |
| 制作 | Robot |
水に沈んだ町に住む老人は、水位の上昇に伴い、自分の家をレンガで積み重ねて高くしていく。ある日、愛用のパイプを家の下層に落としてしまい、スキューバダイビング用具をレンタルして探しに行くことにする。沈んだ家を下降していくにつれて、老人は自分の過去の思い出や人生の断片に出会っていく。
作品概要・あらすじ
あらすじ
水位が上がり続け、ほとんどが水に沈んでしまった町。そこに暮らす老人は、水面が迫るたびに自宅の上へレンガを積み、新しい部屋を築いて暮らしてきました。ある日、彼は愛用のパイプを誤って水没した下の階へ落としてしまいます。スキューバダイビングの道具を借りて水中へ潜り、かつての部屋を一つずつ下りていく老人。沈んだ家を下降するその旅は、亡き妻との日々や家族と過ごした時間など、これまで積み重ねてきた人生の思い出を静かにたどる時間へと変わっていきます。みどころ・魅力
① セリフに頼らない普遍的な物語
本作には説明的な言葉がほとんどありません。老人の動作と表情、そして水中に積み重なった部屋の風景だけで人生が語られます。言語の壁を越えて世界中の観客の心に届く構成は、短編アニメーションだからこそ実現できた表現です。② 「家=記憶の地層」というアイデア
上へ積み上げてきた家を下へ潜るほど、過去へ遡っていく――この垂直方向の構造そのものが物語の核です。一つ下の部屋へ進むたびに古い思い出が現れる仕掛けは、観る人に時間と喪失をやさしく実感させてくれます。③ 温かみのある手描きの質感
鉛筆画のような柔らかい線とくすんだ色合いが、寂しさの中にも穏やかな温もりを生み出しています。約12分という短さの中に凝縮された丁寧な作画と音楽が、静かな余韻を残す作品に仕上がっています。キャスト・声優一覧

スタッフ
| 監督 | 加藤久仁生 |
|---|---|
| 音楽 | 近藤研二 |
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
アカデミー賞の短編アニメ部門を獲った、と聞いて少し身構えた。賞レースで名前が挙がる作品って、たいてい「立派すぎて疲れる」やつだと思っていたから。しかも10分ちょっとで終わる。10分でいったい何が描けるんだ、と半分なめていた。
再生して、3分でその態度を恥じた。セリフはほとんどない。水に沈んだ町で、老人が黙々とレンガを積んでいるだけ。なのに画面から目が離せない。最初は「きれいな話だな」で終わったのに、2回目はパイプを落とすあたりでもう喉の奥が詰まっていた。短いからこそ、何度でも戻ってこられる作品だ。
下へ潜るほど、若い日に近づいていく——これは記憶の地層をめぐる話だ
この作品を「水没した町で暮らす孤独な老人の話」だと思って見ると、たぶん半分も受け取れない。家を下へ下へと潜っていく構造そのものが、この10分の正体だからだ。
老人は水位が上がるたびに、家を上へ上へとレンガで積み増してきた。つまり今の暮らしの真下には、かつての暮らしがそっくり沈んでいる。ひと部屋ぶん潜るたびに、時間がひと区切り巻き戻る。妻を見送った部屋、子を育てた部屋、二人で暮らしはじめた部屋、そして——。落としたパイプを拾いに行く、ただそれだけの口実で、彼は自分の人生の地層を一枚ずつめくっていく。
うまいのは、それを「回想です」と説明しないことだ。大げさなフラッシュバックの演出はない。ただ、今は誰もいない部屋に、かつての誰かの気配がそっと重ねられる。観ているこっちが勝手に「あ、ここにいたんだ」と気づかされる。先回りして泣かせにこない分、こっちの足元が静かに崩れる。
だから僕はこれを悲しい話だとは思っていない。失くしたものは消えてなくなるんじゃなく、足元にちゃんと積み重なっている。上で一人ぼっちに見える老人は、本当はずっと全部を抱えたまま生きている。レンガを積むという地味きわまりない作業が、これほど「生き続けること」そのものに見える映画を、僕は他に知らない。
特に刺さったシーン
終盤、潜るだけ潜った彼が地上に戻ってきて、食卓につくところ。グラスをふたつ並べて、ワインを注ぐ。片方の席には、誰もいない。乾杯するみたいに、軽くグラスを合わせる仕草——ここで完全にやられた。
さんざん下まで潜って思い出に会ってきたあとだから、この何でもない晩酌が効く。一人で飲んでいるんじゃない。さっき会ってきた相手と、今夜も一緒に飲んでいる。説明は一切ない。あの素朴なアコーディオンとピアノが、静かに寄り添うだけだ。声優の芝居もナレーションもないのに、グラスの触れ合う小さな音ひとつで全部わかってしまう。
初見では「きれいな終わり方だな」としか思わなかったのに、2回目はこの場面の手前から目が潤んでいた。冒頭で落としたパイプの意味も、ここでようやく腑に落ちる。あれはただの忘れ物じゃなかった。
読んで見たくなったら——『つみきのいえ』はU-NEXTで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- セリフで説明されるより、画面の余白から自分で読み取りたい人
- 大切な人を見送った経験がある人、あるいはいつかそれが来るとわかっている人
- 短くて静かな作品を、繰り返し味わうのが好きな人
合わない人
- 派手な展開やはっきりしたオチを求める人
- わずかな動きと音楽だけで10分もたせる構成を、退屈に感じてしまう人
- 言葉で説明されないと物語が入ってこないタイプの人
次に見るなら
おもひでぽろぽろが好きなら間違いなく合う。今の自分の足元に過去の自分が眠っている感覚、記憶を一枚ずつめくっていく手つきがよく似ている。
静けさの中に痛みを忍ばせるのが好きならかぐや姫の物語。線と余白で命のはかなさを描く方向性は、つみきのいえと同じ血が流れている。
そして父と娘(Father and Daughter)。こちらも同じくアカデミー短編を獲った、言葉のない映像詩だ。水辺でずっと誰かを待ち続ける話で、つみきのいえが効いた人はまず間違いなく刺さる。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ | |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『つみきのいえ』は、U-NEXTとAmazonプライムビデオで視聴することができます。短編作品ながら国際的にも高く評価されたこの一作を、配信でじっくり楽しめるのはうれしいポイントです。どちらのサービスでも配信されているので、ご自身が利用しやすい方を選んで鑑賞してみてください。
