傷物語〈Ⅱ熱血篇〉

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2016傷物語〈Ⅱ熱血篇〉

傷物語〈Ⅱ熱血篇〉

★ 4.2 / 5.0アクションドラマセクシーミステリーサイコロジカル超自然
放送年2016年
フォーマット劇場版
話数1話
原作ライトノベル
制作Shaft

高校2年の春、暦は瀕死の吸血鬼キスショットを救うが、その代償として彼女の下僕となり吸血鬼化してしまう。キスショットは四肢を切断された状態で発見され、暦が彼女を助けることで、自らも吸血鬼へと変貌を遂げることになったのだ。

目次

作品概要・あらすじ

あらすじ

高校2年生の阿良々木暦は、ある夜、廃駅で四肢を失い瀕死の状態で倒れていた伝説の吸血鬼・キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと出会う。彼女を救うために自らの血を与えた暦は、気づけば吸血鬼の僕として蘇っていた。キスショットが本来の力を取り戻すには、奪われた四肢を取り返すしかない。暦は三人の怪異ハンターたちとの過酷な戦いに身を投じることになる。

みどころ・魅力

① 圧倒的な戦闘作画と肉弾戦の迫力

シャフト×新房昭之が手がける劇場版ならではのクオリティで描かれるアクションシーンは、本作最大の見どころ。吸血鬼としての超人的な身体能力を得た暦が、怪異ハンターたちと繰り広げる壮絶な肉弾戦は、TVアニメでは到底実現できない密度と迫力で描かれている。

② 人間性と吸血鬼本能の狭間で揺れる暦の葛藤

戦いを重ねるほどに吸血鬼としての本能が目覚め、人間だったころの自分から遠ざかっていく恐怖と高揚。笑いとシリアスが混在する独特の「物語シリーズ」語り口の中で、暦の内面的な変容が丁寧に描かれ、シリーズを知るファンには新鮮な発見をもたらす。

③ エロスとグロテスクが同居する西尾維新ワールドの映像化

原作の持つ鮮烈なビジュアルイメージを、劇場のスクリーンサイズで余すところなく表現。キスショットの妖艶な存在感と暴力的なまでの美しさ、そして血と再生が交差する演出は、「傷物語」という作品のテーマを視覚的に体現している。

キャスト・声優一覧

阿良々木暦
阿良々木暦
メイン
神谷浩史
忍野忍
忍野忍
メイン
坂本真綾
羽川翼
羽川翼
メイン
堀江由衣
忍野メメ
忍野メメ
メイン
櫻井孝宏
ドラマツルギー
ドラマツルギー
サブ
江原正士
エピソード
エピソード
サブ
入野自由
ギロチンカッター
ギロチンカッター
サブ
大塚芳忠

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スタッフ

監督尾石達也
原案キャラデザ戴源亨
キャラクターデザイン渡辺明夫、守岡英行
音楽神前暁
美術監督飯島寿治
音響監督鶴岡陽太
EDClémentine「étoile et toi」

関連作品

アニメ

書籍

トレーラー・MV

▲ 公式トレーラー(公式YouTube)

OP・ED

ED

感想・評価

最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ

冷血篇を映画館で観て、正直なところ「続きを待てない」状態になった。あの終わり方は反則だと思う。深夜に一人でチケットを買って、翌週にもう一度観に行くくらいには引っ張られた。

熱血篇を初めて観たとき、開幕からずっと「これはアクション映画だ」という感覚があった。西尾維新の作品でここまで手が動く映像を観るとは思っていなかったし、シャフトがこういう映画を作れることに少し驚いた。アニメシリーズで慣れ親しんだ縦書きテロップや首かしげの演出が、スクリーンのサイズで出てくるだけで別物に見える。

2回目で気づいたのは、キスショットの「強さ」の描き方が意図的に過剰に設定されているということ。敵を倒すシーンの情報量がおかしい。初見ではアクションの気持ちよさとして受け取っていたものが、2回目では「これは怖さとして描かれている」と見え方が変わった。そこから考察が止まらなくなった。

強すぎることは、孤独の別名である——キスショットが四肢を失っていた理由

傷物語シリーズを通して一番引っかかっているのは、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードという存在の「強さ」が、単なるスペック表示として描かれていないという点だ。熱血篇では彼女の戦闘力がほぼ全開で描かれるが、見ていて単純に爽快とはならない。

四肢を奪った三人の吸血鬼退治者——エピソード、ドラキュリーナ、ギロチンカッター——を阿良々木が順番に倒していく構造は、表面上は「主人公がボスを撃破していく少年漫画的な話」に見える。だが熱血篇で描かれる戦闘は、どこか後味が悪い。特に入野自由が声を当てたエピソードとの戦いは、彼女が五百年以上生きてきた吸血鬼であることの「重さ」が初めて具体的に画面に出てくる場面でもある。

入野自由の演技が好きで、「声優と夜あそび」のMCとしての柔らかい印象とは全然違うエピソードの佇まいに、最初から最後まで集中できた。あの役は声の質感だけで強さと哀愁を両立していると思う。

キスショットが冷血篇で瀕死の状態で路上に倒れていたのは「なぜ強い彼女が負けたのか」という謎として提示される。熱血篇を観終わったあとで振り返ると、あの状態は「負けた結果」ではなく「そうなるしかなかった必然」として読める。強すぎる存在は、戦う相手に困らない。むしろ戦う相手しか現れない。五百年間そうやって生きてきた存在が、高校生の阿良々木と出会う話——というのが傷物語の本当の軸だと思っている。

坂本真綾のキスショットは、強さと幼さが同居している。高い声域で少女の声を作りながら、台詞の間や語尾の息遣いで五百年の時間を感じさせる演技は何度聴いても飽きない。熱血篇の彼女は特に「圧倒的に強い」と「誰かに頼っている」が同時に画面に出てくるシーンが多く、そのコントラストが物語の核心だと思う。

神谷浩史演じる阿良々木は、この作品では「選ぶ側」として描かれる。だが実際には選択の余地がどれほどあったか。選択肢を提示し続けるのが櫻井孝宏の忍野メメで、あの乾いた口調とわずかに含まれる感情の揺れが、「正しいことを言っているが正しいことしか言わない人間の怖さ」を的確に表現している。

特に刺さったシーン

エピソードとの戦闘が終わった直後の静止画的なカットが好きだ。アクションの密度が高い本作の中で、ああいう「動きが止まる瞬間」の使い方が上手い。激しい描写の直後に無音に近い間を置くことで、観客の感情の置き場所を作ってくれる。

堀江由衣演じる羽川翼が出てくるシーンは、冷血篇から引き続き「この人物が何を知っていて何を黙っているか」という緊張感がずっと漂っている。熱血篇では少ない出番ながら、そのプレッシャーが増している。堀江由衣の演技は台詞の表層の明るさと、その下の層にある感情の密度のギャップが独特で、羽川翼というキャラクターに非常に合っている。

2回目以降で気になり始めたのは、戦闘シーンの「色」の使い方。白と黒の対比が異常に意識的で、特定のカットで特定の色が消える瞬間がある。初見ではアート的な演出として受け取っていたが、何度か観るとそれが感情状態と連動していることがわかる。シャフトがこの三部作に費やしたこだわりの密度が、繰り返し観るほど出てくる。

読んで見たくなったら——『傷物語〈Ⅱ熱血篇〉』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。

この作品が刺さる人・合わない人

刺さる人

  • 物語シリーズのアニメシリーズをある程度観ている人(前提知識なしでも観られるが、阿良々木と忍の関係の重さは知っているほうが2倍になる)
  • アクション作画に価値を感じる人。この作品の戦闘シーンはそれ単体で観る理由になる
  • 声優の演技から感情を読み取ることに慣れている人
  • 西尾維新の「答えを出さない語り口」が苦にならない人
  • 三部作を通して観る気がある人(熱血篇単体は途中なので)

合わない人

  • シャフトの演出スタイル(静止画・縦書きテロップ・首かしげ)に生理的に合わない人には厳しい。むしろここが最高密度で出てくる
  • 暴力描写が苦手な人。血と身体破損の描写が多い。直接的ではないが繰り返し出てくる
  • 一本の映画として完結した話を求めている人。熱血篇は三部作の中間なので、単独では終わらない
  • 冷血篇を観ていない人(冷血篇が前提)

次に見るなら

熱血篇を観たなら当然だが、続く傷物語〈Ⅲ冷血篇〉に進むのが先決だ。三部作を通して観て初めてキスショットという存在の話が完結する。熱血篇で積み上げた感情の行き先が全部あそこにある。

傷物語から物語シリーズに入る人には化物語を。阿良々木と忍の関係がすでに「日常」として描かれている時系列で、熱血篇で観た「始まり」がどう変容したかが見える。2回目以降の化物語は別の作品になる。

三部作を全部観終わって「続きが観たい」という人には偽物語を。忍(キスショット)のスクリーンタイムが増え、阿良々木との距離感が熱血篇とはまた違う角度で描かれる。物語シリーズの中でも特にこの二人の関係が好きな人には直接つながる。

配信・視聴情報

サービス配信月額無料期間作品数
ABEMAプレミアムイチオシ×¥680〜(税込)無料あり1,000+
Amazonプライムビデオ×¥600(税込)30日間1,700+
クランクイン!ビデオ穴場×¥990〜(税込)最大1ヶ月7,000+
dアニメストア¥660(税込)31日間7,200+
U-NEXT¥2,189(税込)31日間6,000+
DMM TV×¥550(税込)14日間6,300+
Netflix×¥890〜(税込)なし1,600+
Hulu×¥1,026(税込)なし2,900+
Disney+×¥1,250〜(税込)なし500+
『傷物語〈Ⅱ熱血篇〉』は現在、dアニメストアで視聴可能です。劇場三部作の第二章にあたる本作は、〈Ⅰ鉄血篇〉を観た後に続けて楽しめます。dアニメストアに加入していれば、全三部作をまとめて追いかけることができます。

よくある質問

Q. 『傷物語〈Ⅱ熱血篇〉』を観るのに前作を観ておく必要はありますか?
A. 〈Ⅰ鉄血篇〉から続くストーリーのため、先に第一章を観ることを強くおすすめします。三部作は一続きの物語として構成されており、順番に観ることでより深く楽しめます。
Q. 「物語シリーズ」を知らなくても楽しめますか?
A. 『傷物語』は時系列的に最も古いエピソードのため、本作から入ってもシリーズの入門作として楽しめます。ただし、他作品を観た後に改めて観るとキャラクターへの理解がより深まります。
Q. どこで視聴できますか?
A. dアニメストアで配信中です。三部作すべてが配信されているため、まとめて一気見するのがおすすめです。
Q. 〈熱血篇〉というタイトルの意味は?
A. 三部作それぞれにサブタイトルが付いており、第二章の「熱血」はアクション・バトル要素を前面に押し出した内容を表しています。暦が吸血鬼ハンターたちと激闘を繰り広げる本作の雰囲気をそのまま体現した言葉です。

まとめ

『傷物語〈Ⅱ熱血篇〉』は現在、dアニメストアで視聴可能です。劇場三部作の第二章にあたる本作は、〈Ⅰ鉄血篇〉を観た後に続けて楽しめます。dアニメストアに加入していれば、全三部作をまとめて追いかけることができます。

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この記事を書いた人

アニメの配信先を毎回調べているうちに、「もう自分でまとめた方が早いな」と思ってaniholicを始めました。アニメから入って、今はかなり声優ファン寄りです。Abema、dアニメ、Prime Video、Huluあたりを普段使っています。掲載情報は、できるだけ公式サイトを確認してから掲載しています。
ちなみに「aniholic」を深夜テンションで「アニ☆ホリ」と略したのですが、まさか昼に見た時こんなに恥ずかしいとは思いませんでした。今のところ修正予定はありません。

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