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傷物語〈Ⅲ冷血篇〉
| 放送年 | 2017年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | ライトノベル |
| 制作 | Shaft |
Kizumonogatari(傷物語) メメ・オシノの助けを借りたコヨミは、3人の強力な吸血鬼ハンター・ドラマトゥルギー、エピソード、ギロチンカッターを倒す。キス・ショット・アセロラ・オリオン・ハート・アンダー・ブレードの手足を全て取り戻し、人間に戻ろうとするが、帰宅した時に予想外の展開が待ち受けていた。
作品概要・あらすじ
あらすじ
吸血鬼キス・ショット・アセロラ・オリオン・ハート・アンダー・ブレードに眷属にされた少年・阿良々木暦。失われた彼女の手足を取り戻すため、3人の強力な吸血鬼ハンター——ドラマトゥルギー、エピソード、ギロチンカッターとの激闘を制した暦は、ついにキス・ショットを元の姿に戻す。しかし、すべてが解決したかと思われた矢先、帰宅した暦を待ち受けていたのは想像もしなかった現実だった。「完全な人間」に戻れない真実、そして2人が選ぶ結末とは——。みどころ・魅力
① 三部作を締めくくる圧巻のクライマックス
〈鉄血篇〉〈熱血篇〉と積み上げてきた物語が一気に収束する最終章。暦とキス・ショットが迎える結末は、アクション一辺倒ではなく深い感情的余韻を残す。3作通しての伏線が回収される瞬間の満足感は格別で、シリーズを見届けてきた視聴者ほど刺さる構成になっている。② 新房昭之×SHAFT が生み出す唯一無二の映像美
独特のシャフト角・大胆なカット割り・抽象的な背景美術が全編を通じて炸裂する。特にキス・ショットとの決着シーンは作画・演出・音楽が三位一体となった圧倒的な完成度を誇り、アニメ映像表現のひとつの到達点として語り継がれている。③ 神谷浩史×坂本真綾が声で紡ぐ感情の機微
阿良々木暦役・神谷浩史と、成熟したキス・ショット役・坂本真綾の演技が本作の核心を担う。言葉の端々に宿る葛藤・諦念・愛情を、声だけで余すところなく表現。西尾維新の濃密な台詞劇と相まって、最後まで耳を離せない緊張感が続く。キャスト・声優一覧









スタッフ
| 監督 | 尾石達也 |
|---|---|
| 原案キャラデザ | 戴源亨 |
| キャラクターデザイン | 守岡英行、渡辺明夫 |
| 音楽 | 神前暁 |
| 美術監督 | 飯島寿治 |
| 音響監督 | 鶴岡陽太 |
| ED | Clémentine & Ainhoa「étoile et toi [édition le blanc]」 |
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アニメ
書籍
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
物語シリーズは〈偽物語〉あたりから追いかけていて、傷物語の劇場版三部作は「これが全部終わったら一気に観よう」とずっと後回しにしていた。ようやく重い腰を上げて〈鉄血篇〉から入ったとき、正直あの映像密度に面食らった。TVシリーズとは別物だと思って気構えていたのに、ここまでやるのかと。〈熱血篇〉で三人のハンターとの戦いが積み上がって、そして〈冷血篇〉で全部が回収される。最初に観たときは「阿良々木くんが人間に戻れてよかった」という、ものすごく浅いところで終わった。2回目に観て、あのラストの意味がやっと身体に入ってきた。救われているのが誰で、何が失われたのかを。
「助ける」という行為が、どれだけ暴力的になれるか
傷物語〈Ⅲ冷血篇〉は、ひとことで言えば「善意の残酷さ」を描いた映画だと思っている。阿良々木暦は最初から一貫して「誰かを助けたい」という動機で動いている。ドラマトゥルギーを倒し、エピソードを倒し、ギロチンカッターを倒して、キス・ショットの手足を全部取り返した。完璧な善行に見える。でも、その過程で何が起きていたかというと、彼はキス・ショットから力を借りるたびに彼女を削っていた。強くなるたびに、彼女は弱くなっていた。
そしてあの結末。人間に戻るために必要なことが「キス・ショットを瀕死にする」ことだと判明したとき、阿良々木くんはそれをやる。彼女が望んでいるからという理由で。ここが本当に苦しい。加害者と被害者の図式が成立しないんだ。彼女は望んでいる。彼は叶えてあげている。誰も間違っていない。でも、あの場面を「ハッピーエンド」と呼べる人間がどれだけいるか。
神谷浩史さんが演じる阿良々木くんの声が、あのシーンで明らかに揺れている。TVシリーズを通じて聴き慣れた軽口のリズムがなくなって、ただ必死に何かに耐えている声になる。坂本真綾さんのキス・ショットはその逆で、あそこで初めて本当に穏やかになる。何百年も生きてきた吸血鬼が、やっと楽になれる瞬間の声として、あれ以上の演技があるだろうかと2回目で思った。
物語シリーズ全体を通して、忍野メメは「助けない人」として描かれてきた。関わるけれど、決定的なことはしない。櫻井孝宏さんの飄々とした芝居がそのキャラクターを支えていて、〈冷血篇〉でも彼だけが全体を俯瞰した位置にいる。阿良々木くんが「助ける」ことを選んだ結果を、メメはずっと前から知っていた。知っていて、止めなかった。それが「正しい距離感」だったのか、それとも見捨てだったのかは、観る側に委ねられたままになっている。
羽川翼があの終盤で出てくる意味も、2回目でようやく整理できた。彼女は阿良々木くんにとっての「人間側の代表」として機能している。堀江由衣さんの声は物語シリーズの中でも特別な安心感があって、あのシーンで羽川さんが現れると、こちらも少し息を吐ける。でも同時に、彼女には何も話せないという事実が、阿良々木くんが何かを永遠に飲み込んだことを示している。
特に刺さったシーン
キス・ショットが「殺してほしい」と言う場面、というより言葉を選ぶ前の、彼女が笑う瞬間が刺さった。あの笑顔は何なのかと最初は思った。怖かった。2回目で、あれが本当に安堵の表情だとわかってから、もう一度最初から観直したくなった。坂本真綾さんがああいう「重さのある軽さ」を出せる声優だということを、あのシーンで改めて思い知った。
それとは別に、戦闘シーンの作画についても触れておきたい。〈冷血篇〉の終盤にかけての映像は、TVシリーズとは別の予算と熱量が投入されているのが画面から伝わってくる。ただ派手というんじゃなくて、阿良々木くんの動きが段々と「人間じゃないもの」の速度になっていくプロセスが視覚的に表現されていて、それが怖かった。人間に戻ろうとしている人間が、戦えば戦うほど人間から遠ざかっていく矛盾を、あの作画は正直に描いている。
読んで見たくなったら——『傷物語〈Ⅲ冷血篇〉』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- 物語シリーズをある程度追いかけてきた人。単体でも観られるが、阿良々木くんと羽川さんの関係性の重さはTVシリーズの蓄積があってこそ伝わる
- 救済の話が好きだけど、きれいな救済じゃないほうが好きな人
- 坂本真綾・神谷浩史の演技を目当てに観られる人。この二人のシーンは間違いなくキャリアベストクラスの仕事をしている
- 映像体験として劇場版アニメを観たい人。音響設計も含めて、これは大画面・大音量向けに作られている
合わない人
- 物語シリーズ未見でいきなり観ようとしている人。キャラクターへの愛着なしに観ると、ただ暗い話になる
- スッキリした結末が欲しい人。あのエンディングは人によっては後味が悪いと感じる設計になっている
- 西尾維新のテキスト量・会話量が苦手な人。劇場版でもその濃度は変わらない
次に見るなら
傷物語三部作を観たあとに物語シリーズを順番に追うなら、まず化物語を。アニメ本編の起点であり、羽川翼・戦場ヶ原ひたぎとの出会いが描かれる。傷物語で阿良々木くんの「始まり」を観たあとに戻ると、1話目の台詞の重さがまったく変わって聞こえる。
そのまま物語シリーズの終着点まで行くなら終物語。忍野メメの不在と存在、そして忍野忍との関係がここで回収される。坂本真綾さんの演技が傷物語とは別の意味で頂点に達するシーンがあって、シリーズ通しで観てきた人間にしかわからない重さがある。
物語シリーズ全体を追い終えたあとに観るなら憑物語。短いながら、シリーズの核にある「人間であること」という問いに対して、別の角度から答えを出している。傷物語の冷血篇と対置して考えると、阿良々木くんが選んだことの意味が改めて見えてくる。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | — | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『傷物語〈Ⅲ冷血篇〉』はdアニメストアで視聴可能です。〈鉄血篇〉〈熱血篇〉もあわせて配信されているので、三部作をまとめて楽しめます。『化物語』を観る前の予習として、あるいはシリーズファンの再鑑賞にもおすすめです。




















