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黒執事 Book of the Atlantic
| 放送年 | 2017年 |
|---|---|
| フォーマット | 劇場版 |
| 話数 | 1話 |
| 原作 | 漫画 |
| 制作 | A-1 Pictures |
シエルと悪魔の執事セバスチャンは、死者を蘇らせる謎の結社の噂を聞きつけ、豪華客船カンパニアの処女航海に乗船する。結社のメンバーに紛れ込んだ彼らは、死から蘇った女性の姿を目撃する。しかし驚きはすぐに別の感情へと変わっていく。
作品概要・あらすじ
あらすじ
ファントムハイヴ伯爵シエルと悪魔の執事セバスチャンは、死者を蘇らせる秘密結社「ミリネリア」の噂を追い、豪華客船カンパニアの処女航海へと乗り込む。結社のメンバーに扮して潜入捜査を進めるなか、死から蘇った女性の目撃という衝撃的な事実に直面する。やがて船上で異変が次々と起こり始め、シエルとセバスチャンは死の謎の中心へと引き込まれていく。みどころ・魅力
① 原作屈指の人気エピソードを劇場クオリティで完全映像化
原作漫画の「大西洋(アトランティック)編」をベースに、劇場版ならではのクオリティで描ききった一作。緻密な美術や滑らかな戦闘作画はテレビシリーズを大きく超え、ファンが長年待ち望んでいた名エピソードに相応しい仕上がりとなっている。② 豪華客船を舞台にした怒涛のアクションと緊迫感
密閉空間である客船上での追走・乱戦・超常バトルが次々と展開し、息を吐く暇もない緊張感が続く。セバスチャンが悪魔としての本領を発揮する戦闘シーンは特に圧巻で、アクション映画としての満足度も高い。③ グレルや死神たちが勢揃い——コメディとシリアスの絶妙なバランス
シリアスな謎解きと並行して、グレル・サトクリフをはじめとする個性豊かな死神たちのコメディ要素が随所に挿入される。笑いあり・戦慄ありの緩急あるテンポが、重厚なストーリーを最後まで飽きさせず引っ張っていく。キャスト・声優一覧
























スタッフ
| 監督 | 阿部記之 |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 芝美奈子 |
| 音楽 | 光田康典 |
| 音響監督 | 阿部記之 |
| ED | シド 「硝子の瞳」 |
関連作品
アニメ
書籍
トレーラー・MV
▲ 公式トレーラー(公式YouTube)
OP・ED
ED
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
正直に言うと、黒執事の本編をちゃんと追えていない状態で劇場に足を運んだ。「豪華客船もの」という情報だけ頭に入れて、あとはなんとかなるだろうと思って。なんとかなった、とは言い切れないけれど、それでも最後まで飽きずに見られたのは、この映画の構造がそれだけ強かったからだと思う。
最初に見たとき、率直に感じたのは「これ、クローズドサークルものとしてよくできている」ということだった。豪華客船という舞台の密閉感、死者が蘇るという設定のおぞましさ、そこに悪魔の執事という存在を放り込む非常識さ。本編の文脈を知らなくても、この組み合わせの異様な相性の良さは一発でわかる。2回目に見ると、序盤から散りばめられていた不穏な伏線が全部見えてきて、初見時の「えっ」という驚きが「あ、ここで仕込まれてたのか」という別種の楽しさに変わった。
死者を蘇らせることへの欲望と、悪魔が笑う理由
この映画が描いているのは、「死の境界線を人間が操作しようとするとどうなるか」という話だ。と書くと大袈裟に聞こえるかもしれないが、実際のところ、この作品の核心はそこにある。
死者蘇生の技術を持つ謎の結社が豪華客船に乗り込み、亡くなった人間を「アンデッド」として蘇らせる。それ自体はホラー映画的なガジェットとして機能しているが、この映画が面白いのは、その行為に対する登場人物たちの反応が一様でないところだ。恐怖する者、利用しようとする者、そして——悪魔であるセバスチャンの視点から見ると——どこか呆れたように眺めている者がいる。
小野大輔が演じるセバスチャンという存在は、人間の欲望を食料として生きる悪魔だ。だからこそ、死を超えようとする人間の足掻きを、ある種の興味深さと倦怠感を混ぜたような目で見ている。この「悪魔から見た人間の滑稽さ」という視点が、映画全体を単純なホラーアクションに収まらせていない。
坂本真綾が声を当てるシエルもまた、喪失と死に対して独特の距離感を持つキャラクターだ。彼は死を恐れていない、というより、すでに死に近い場所に立っている。その彼が豪華客船で死者の群れと向き合う——これは外からの脅威に対するサバイバルの話ではなく、どこかで死を望んでいる人間が、自分が望む死とは違う死の形を突きつけられる話として読めなくもない。
諏訪部順一が演じる葬儀屋は、この構図に対して最も鮮明な答えを持つキャラクターとして機能している。死のビジネスを生業にしながら、死そのものに対して独自の哲学を持つ彼の存在が、映画の後半で一気にトーンを変える。序盤の「謎めいた端役」から「この映画の本当の主役かもしれない」への転換は、2回見るとかなり鮮やかだ。
単純に言えば、人間は死を制御したがるが、死はそれを許さない——という話なのかもしれない。でもこの映画の場合、その「許さない」側にいるのが悪魔という存在で、それがなんとも皮肉な構造になっている。人間の死への介入を否定するのが悪魔、というのは、倫理の話をしているようで、実は全然倫理の話じゃない。
特に刺さったシーン
終盤、葬儀屋とセバスチャンが正面から対峙するくだりが、この映画で一番好きな場面だ。それまで飄々とした空気をまとっていた葬儀屋が、一切の余裕を脱ぎ捨てて動き始める瞬間の緊張感は、劇場のスクリーンサイズと音響があって初めて成立するレベルの迫力だった。
諏訪部順一の芝居が本当に良くて、飄々から本気への切り替えが声だけで伝わってくる。台詞の量が多いわけじゃないのに、「この人物には背景がある」という質量を感じさせる。声優の仕事として、ああいう種類の芝居はかなり難しいはずだ。
対するセバスチャンの小野大輔も、執事としての慇懃さをギリギリまで保ちながら戦っているあの独特のテンションを、映画スケールに合わせてしっかり届けていた。「主人の命令で動いている」という建前の中に、悪魔としての本性がじわじわ滲んでくる感じ。序盤の穏やかな場面と終盤の殺傷力の落差が、一人の声優の仕事の中で完結しているのが面白い。
福山潤のグレルは、シリアスな空気に対して完全に別の周波数で存在しているのだが、それが不思議と成立しているのも劇場版の強みだと思う。ああいうキャラクターが緊張感を緩めながら物語を前に進める役割を担えるのは、それを成立させる芝居の幅があってこそだ。
読んで見たくなったら——『黒執事 Book of the Atlantic』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- クローズドサークルのミステリー構造が好きな人——船という密閉空間の使い方がうまい
- 悪魔・死神といったオカルト要素とアクションの組み合わせが好きな人
- 声優の演技を細かく聞くのが好きな人——キャストの仕事量がとにかく多い
- 黒執事本編をある程度知っている人——知識があるほど細部の解像度が上がる
- 劇場版ならではの音響・スケール感で体験したい人
合わない人
- 本編の文脈がないとキャラクターへの感情移入が薄くなる——シエルへの思い入れが前提にある映画なので、完全な初見だとやや物足りない可能性がある
- ゾンビ・アンデッド描写が苦手な人——後半はかなり直接的な描写が続く
- スッキリした謎解きを求めている人——「なぜこうなったか」の説明よりも、雰囲気とアクションで押し切るタイプの映画
次に見るなら
豪華客船という舞台と死者蘇生というテーマの組み合わせが好きなら、黒執事の他シリーズは当然として——
進撃の巨人は、人間が「死を超えた存在」に囲まれた密閉世界で戦うという構造が近い。セバスチャンとシエルの主従関係に似た、力の非対称な関係性が繰り返し登場するのも共通点だ。
D.Gray-manは死者を操る敵、人間離れした能力を持つ主人公、コメディとシリアスの混在という点で、黒執事的な世界観が好きな人にかなり刺さりやすい。原作もアニメも長命なシリーズだが、入口として見るならアニメの序盤は入りやすい。
ゴシックな雰囲気と一癖あるキャラクターが揃った群像劇として見るなら、Vassalord.(OVA)も選択肢に入れてもいい。規模は全然違うが、悪魔的な存在と主従関係というモチーフは共通する。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ | |
| U-NEXT | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ | |
| DMM TV | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ | |
| Netflix | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ | |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
『黒執事 Book of the Atlantic』は現在、dアニメストア・U-NEXT・DMM TV・Netflix・Disney+の5サービスで配信中です。主要なVODサービスにほぼ揃っており、加入済みのサービスからすぐに視聴できます。字幕・吹き替えの対応状況は各サービスでご確認ください。









