憂国のモリアーティ

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2020憂国のモリアーティ

憂国のモリアーティ

★ 4.0 / 5.0ドラマミステリーサイコロジカル
放送年2020年
フォーマットTVアニメ
話数11話
原作漫画
制作Production I.G

19世紀後半のイギリス。貴族が支配する帝国で労働者階級は苦しんでいた。その苦境に同情したウィリアム・ジェームス・モリアーティは、この体制を打倒することを決意する。不公正な社会制度に怒り、彼は国全体を改革する計画を立てる。名探偵シャーロック・ホームズさえも彼の前に立ちふさがることはできない。犯罪が世界を革命させる時が来た。

目次

作品概要・あらすじ

あらすじ

19世紀後半のヴィクトリア朝イギリス。貴族が支配する厳格な階級社会のなかで、労働者階級の人々は搾取と貧困にあえいでいた。そんな不条理な現実に怒りを燃やす青年貴族、ウィリアム・ジェームス・モリアーティは、腐敗した社会体制そのものを打ち壊すことを決意する。類まれな頭脳と強固な意志を持つ彼は、”犯罪卿”として暗躍しながら国家改革の壮大な計画を進めていく。そしてやがて、ロンドンを席巻する名探偵シャーロック・ホームズとの運命的な対峙が始まる。

みどころ・魅力

① モリアーティを「悪の天才」ではなく「革命家」として描く逆転の発想

原作小説でホームズの宿敵として描かれたモリアーティを主人公に据え、その行動を”社会変革のための合理的選択”として描く点が本作最大の特徴。勧善懲悪では割り切れない複雑な正義感が、物語全体に独特の緊張感と深みをもたらしている。

② ホームズとモリアーティの対等な知的火花

敵対関係にありながらも互いを唯一の理解者として認め合う二人のやり取りは、頭脳戦としても人間ドラマとしても見応え十分。推理とカウンター推理が交錯する対話シーンは、原作ファンも唸らせるクオリティで描かれている。

③ ヴィクトリア朝の空気感を再現した美術と演出

霧漂うロンドンの街並み、荘厳な貴族邸宅、労働者街の陰影——時代考証に基づいた美術設計が物語の没入感を高める。衣装や小道具にいたるまで19世紀英国の雰囲気が丁寧に再現されており、世界観の完成度が高い。

キャスト・声優一覧

ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ
ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ
メイン
›
斉藤壮馬
ルイス・ジェームズ・モリアーティ
ルイス・ジェームズ・モリアーティ
メイン
›
小林千晃
アルバート・ジェームズ・モリアーティ
アルバート・ジェームズ・モリアーティ
メイン
›
佐藤拓也
シャーロック・ホームズ
シャーロック・ホームズ
メイン
›
古川慎
ハドソン
ハドソン
サブ
›
阿澄佳奈
セバスチャン・モラン
セバスチャン・モラン
サブ
›
日野聡
フレッド・ポーロック
フレッド・ポーロック
サブ
›
上村祐翔
マイクロフト・ホームズ
マイクロフト・ホームズ
サブ
›
安元洋貴
ジョン・H・ワトソン
ジョン・H・ワトソン
サブ
›
小野友樹
エル
エル
サブ
›
藤原夏海
リチャード
リチャード
サブ
›
堀内賢雄
イーデン
イーデン
サブ
›
飛田展男

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スタッフ

監督野村和也
シリーズ構成雑破業
原作竹内良輔
原案キャラデザ三好輝
キャラクターデザイン大久保徹
音楽橘麻美
美術監督谷岡善王
音響監督はたしょうじ
OP畠中祐「DYING WISH」
EDステレオダイブファウンデーション「ALPHA」

関連作品

アニメ

書籍

トレーラー・MV

▲ 公式トレーラー(公式YouTube)

OP・ED

OP

ED

感想・評価

最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ

「モリアーティ視点でシャーロック・ホームズをやる」という一文で手が止まった。ホームズものは正直食傷気味だったけど、これは違う入口だと思って見始めたら、最初の数話で予想より真剣に前のめりになっていた。

19世紀イギリスの階級格差を背景に、ウィリアム・ジェームズ・モリアーティが「犯罪」を手段として社会変革を企てるという設定は、1周目だと「かっこいい悪の天才」の話として受け取りがちだ。でも2回目を見ると、序盤から丁寧に積み上げられていた彼の限界と矛盾が、ちゃんと画面の中にあったことに気づく。斉藤壮馬の声が、表向きの穏やかさと内側の焦燥を同時に乗せていて、そのギャップを初見でちゃんと読み取れなかったのは、こちらの準備不足だった。作画は確かに綺麗で、特にロンドンの霧と光の処理が品よくて、世界観の入口として機能していた。

正義の側に立てば悪になれない、という問いに答えを出した男の話

この作品が描いているのは、「悪役の美学」でも「社会変革の理想」でもなく、もっと根本的なところにある問いだと思う。正しい目的のために間違った手段を使い続けるとき、人はどこで自分を失うのか——それを、モリアーティという人物を通して正面から問いかけてくる。

興味深いのは、この作品がモリアーティを「正しい側」として描きながら、同時に彼の方法論に対してきわめて冷静な距離を置いていることだ。彼は腐敗した貴族を殺し、それを「犯罪相談」という形で実行する。視聴者は彼の動機に共感しながら、気づけば「これは肯定していいのか」という不快感の縁に立たされている。単純なダークヒーロー賛美では終わらせてくれない。

そこにシャーロック・ホームズが現れることで、構図が一気に複雑になる。小野友樹演じるワトソンが持ち込む「普通の人間としての視点」も含め、モリアーティの計画は常に「外部の目」にさらされる。そしてその外部の目が、彼の計画の純粋さではなく、代償の重さを照らしていく。

安元洋貴が演じるマイクロフトには、兄として弟を見守る温度と、国家の側に立つ人間としての冷たさが同居していて、あの落ち着いたトーンの中に複数の感情が詰まっている。「声優と夜あそび」でのあの飄々とした雰囲気とは全然違う重みで、改めて引き出しの多い人だと感じた。

結局この作品は「革命は誰かの血で成立する」という事実から目を逸らさない。モリアーティが設計した世界は美しく論理的だが、その美しさの代価が、彼自身の存在に向けられていく終盤の構造は、2周目でようやく全体像として見えてきた。

特に刺さったシーン

モリアーティとシャーロックが初めて本格的に対峙する場面は、何度見ても構図の計算がうまい。互いに相手の思考を先読みしながら会話していく、あの静かな緊張感のある応酬。斉藤壮馬の声が、ここでは珍しく少し乱れる瞬間があって、それが「この人物もまだ人間だ」という余白を残していた。

もう一つは、日野聡演じるセバスチャン・モランの存在感。元狙撃手として主人のために動くキャラクターなのだが、日野聡の低く落ち着いた声が、台詞の少ない場面でも画面の空気を締めていた。「信頼されている部下」という記号を超えて、個人としての葛藤みたいなものが声だけで伝わってくる場面があって、そこが地味に刺さった。出演作227本という積み上げが、ああいう「台詞のない間」の質に出ている気がする。

阿澄佳奈のハドソンは、重たい物語の中でほとんど唯一の生活感を担っていて、あの声のトーンで場面が少しだけ呼吸できる。意図的な配置だろうし、効いていた。

読んで見たくなったら——『憂国のモリアーティ』はdアニメストアで視聴できる(31日間無料)。

この作品が刺さる人・合わない人

刺さる人

  • ホームズ原作は読んでいるが、正典の「探偵が事件を解決する」構造に飽きてきた人
  • 「正義を貫くために悪を犯す」というジレンマを、説教なしに見たい人
  • 台詞の密度が高くて、会話の応酬で物語が動くタイプのドラマが好きな人
  • 声優の演技のニュアンスを拾いながら見るのが習慣になっている人
  • 19世紀ヨーロッパの雰囲気が画面から感じられる作品を探している人

合わない人

  • アクションや派手な展開が主軸のアニメを期待している人(会話と思想戦がメイン)
  • ホームズ側を主人公として追いたい人(モリアーティが中心なので視点が逆になる)
  • 道徳的にグレーな主人公に感情移入するのがしんどい人
  • 原作への解像度が高すぎて、アレンジに違和感を覚えやすい人

次に見るなら

文豪ストレイドッグスは、実在の文豪を異能力者として再解釈するという意味でモリアーティと同じ「歴史的人物を現代的文脈で再構築する」手法を使っている。組織対組織の思想戦、キャラクター同士の格が拮抗する緊張感が好きなら次に見てほしい作品。

91Daysは、禁酒法時代のアメリカを舞台にした復讐劇で、「正義ではなく目的のために動く主人公」という点でモリアーティと近い空気がある。こちらは日本アニメとしてはかなりフィルムノワールに寄せた画面作りをしていて、乾いた雰囲気が好みなら刺さる。

歌舞伎町シャーロックは、同じホームズモチーフで全く違うアプローチをとった作品。真面目な解釈とは真逆のカオスな設定だが、「ホームズもの」に対するアンチテーゼとして面白い対比になる。モリアーティを見た後だと、キャラクターへのアプローチの違いがより鮮明に見えてくる。

配信・視聴情報

サービス配信月額無料期間作品数
ABEMAプレミアムイチオシ×¥680〜(税込)無料あり1,000+
Amazonプライムビデオ×¥600(税込)30日間1,700+
クランクイン!ビデオ穴場×¥990〜(税込)最大1ヶ月7,000+
dアニメストア¥660(税込)31日間7,200+
U-NEXT¥2,189(税込)31日間6,000+
DMM TV¥550(税込)14日間6,300+
Netflix×¥890〜(税込)なし1,600+
Hulu×¥1,026(税込)なし2,900+
Disney+×¥1,250〜(税込)なし500+

『憂国のモリアーティ』は現在、dアニメストア・U-NEXT・DMM TVで配信中です。各サービスで第1期から視聴できるため、まだ見ていない方はぜひこの機会にチェックしてみてください。

よくある質問

Q. 原作を知らなくても楽しめますか?
A. まったく問題ありません。本作はコナン・ドイル作品の知識がなくても独立したストーリーとして楽しめる構成になっています。むしろ原作を読んだ後に見ると、随所に散りばめられたオマージュをより深く味わえます。
Q. 全何話ですか?続きはありますか?
A. 第1期が2020年秋に11話、第2期が2021年春に11話放送され、合計22話構成です。原作漫画はさらに続いているため、アニメ化されていない続きが気になる方は原作コミックもあわせてチェックしてみてください。
Q. ミステリーとしての要素は強いですか?
A. 推理・謎解きの要素はしっかりありますが、本作の核はミステリーよりも「社会変革」と「人間ドラマ」にあります。頭脳戦を楽しみつつ、キャラクターの信念や葛藤に引き込まれる作品です。
Q. どの配信サービスで見るのがおすすめですか?
A. dアニメストア・U-NEXT・DMM TVのいずれでも視聴可能です。すでに加入しているサービスで見るのが一番手軽ですが、アニメ作品を幅広く見たいならdアニメストアが専門サービスとして使いやすくおすすめです。

まとめ

『憂国のモリアーティ』は現在、dアニメストア・U-NEXT・DMM TVで配信中です。各サービスで第1期から視聴できるため、まだ見ていない方はぜひこの機会にチェックしてみてください。

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この記事を書いた人

アニメの配信先を毎回調べているうちに、「もう自分でまとめた方が早いな」と思ってaniholicを始めました。アニメから入って、今はかなり声優ファン寄りです。Abema、dアニメ、Prime Video、Huluあたりを普段使っています。掲載情報は、できるだけ公式サイトを確認してから掲載しています。
ちなみに「aniholic」を深夜テンションで「アニ☆ホリ」と略したのですが、まさか昼に見た時こんなに恥ずかしいとは思いませんでした。今のところ修正予定はありません。

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