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ADポリス
| 放送年 | 1990年 |
|---|---|
| フォーマット | OVA |
| 話数 | 3話 |
| 原作 | オリジナル |
| 制作 | AIC |
2027年のメガトウキョー。ナイトセイバーズの登場の6年前である。ボーマー(人造人間)はまだ新しい技術で、社会への統合に問題が生じることもある。ボーマーによる事件が発生すると、特別訓練を受けたアドバンスド・ポリスが対応する。主人公レオン・マクニェリーは、この部隊の一員として事件解決に当たる。
作品概要・あらすじ
あらすじ
2027年のメガトウキョー。生体工学的人造人間「ボーマー」が社会に普及し始めた過渡期、暴走するボーマーによる事件が頻発していた。そこに立ち向かうのが特殊部隊「アドバンスド・ポリス(ADポリス)」。熱血刑事レオン・マクニェリーは、人間と機械の境界が曖昧になっていく都市の闇に挑む。全3話オムニバス形式で描く近未来サイバーパンク・クライムアクション。みどころ・魅力
① 『バブルガムクライシス』前日譚としての重厚な世界観
ナイトセイバーズ登場の6年前という時代設定が絶妙で、ボーマー技術が社会に浸透しきる前の混乱と緊張感が色濃く描かれる。テクノロジーと人間性の衝突というサイバーパンクの核心テーマを、刑事ドラマという形式で鋭く切り取っている。② ハードボイルドな1話完結ドラマの完成度
単なるアクション作品にとどまらず、各エピソードがアイデンティティ・孤独・機械と人間の境界といった哲学的問いを内包している。事件の解決だけでなく、登場人物の葛藤と余韻が視聴後も長く残る骨太な構成が魅力だ。③ 1990年制作ならではの作画密度とメカデザインの迫力
手描きアニメーション全盛期の緻密な描き込みと、硬質なメカニカルデザインが融合した映像は今なお色褪せない。バブルガムクライシスと共通する美術スタイルを踏襲しつつ、よりリアルで重厚なトーンに仕上がっている。キャスト・声優一覧






















スタッフ
| 原案キャラデザ | トニーたけざき |
|---|---|
| 音響監督 | 藤山房伸 |
| OP | 「”Lonely Soldier” by Furukawa Toshio」 |
| ED | 「”Love Me Tonight” by Lou Bonnevie」 |
| ED | 「”What a Fool I Am” by Lou Bonnevie」 |
| ED | 「”Cry Cry Cry” by Lou Bonnevie」 |
関連作品
アニメ
書籍
感想・評価
最初に見たとき——第一印象と、見ることになったわけ
バブルガムクライシスを一周して、「前日譚があるらしい」と知ったのがきっかけだった。1990年のOVAで配信は全滅、中古DVDを探す手間がある——そういう作品ほど、なぜか引っ張られる。レオン・マクニェリーはBGCにも出てくる顔なので、「あの人がまだADポリス時代か」という逆算の楽しみ方で見始めた。
最初に見たとき、思ったより硬派だった。ナイトセイバーズが出る前の世界だから、ボーマー問題はまだ社会がうまく飲み込めていない段階で、雰囲気は明らかにアクションよりホラーに傾いている。2回目に通したときに気づいたのは、各話ごとにボーマー犯罪の「種類」が違うこと——身体改造、精神崩壊、社会的差別と、毎回違う角度から人造人間問題をえぐってくる。1本のOVAとして完結しているように見えて、実は連作短編の構造になっている。
人間がボーマーを恐れるのではなく、ボーマーになることを恐れている話
表面上はADポリスという特殊部隊の捜査物だが、この作品が本当に描いているのは「人間とボーマーの境界線はどこか」という問いではない。もっと不穏なことを言っている——「境界線はすでに溶けているのに、人間だけが気づいていない」という話だ。
2027年のメガトウキョーで、ボーマーはまだ「新技術」として扱われている。社会はそれを管理しようとして、ADポリスという部隊を作った。しかし各話で起きるのは、ボーマーが暴走して人間を襲うという単純な構図ではなく、人間がボーマーを通して自分自身の狂気や欲望を投影するパターンが多い。「人造人間が壊れた」のか「それを作った人間が壊れていた」のか、最後まで判然としない回がある。
この作品を単なるサイバーパンクアクションとして見ると少し拍子抜けするかもしれない。派手な戦闘よりも、事件の背後にある歪んだ人間関係や、ボーマーに対する社会の差別感情のほうに尺を割いているから。でも「人間らしさ」を外側から照らすために人造人間という鏡を使う、という意味では、攻殻機動隊やブレードランナーの系譜上にある作品だと思っている。BGCより一段トーンを落とした理由は、ここにある。ナイトセイバーズがいない世界では、ボーマー問題に「ヒーロー的解決」が存在しないのだ。
玄田哲章が演じるダイオークというキャラクターが、この重いテーマを体現している。声の圧だけで「この人物は何かを抱えている」と伝えてくる演技で、台詞のない間の取り方が特にいい。90年代OVAのキャスティングとしてもかなり豪華で、若本規夫のビリー・ファンワードも登場するたびに場の空気が変わる。
特に刺さったシーン
終盤のある回で、ボーマーが「自分が何者かわからない」と混乱している場面がある。暴力的な描写よりも、その存在が抱える認識の崩壊を映すカットが続く。そこで中尾隆聖演じるサエキが関わる場面があるのだが、ベテランの声の使い方が繊細で、怒声でも嘆きでもない「疲れた捜査官の冷静さ」が一本通っていた。思わず音量を上げた。
篠原恵美のバネッサ・バックも印象的で、ヒロイン的なポジションに収まらず、捜査の現場で判断を下すシーンに説得力がある。玉川砂記子のタカギ・ヨーコも、短い出番の中で感情の密度を上げてくる。90年代OVAはキャストが豪華になりやすい媒体だったが、ADポリスはその恩恵を受けていると思う。
音楽と作画の方向性として、BGCの華やかさよりも意図的にくすんだトーンを選んでいる。序盤の夜の路地シーンは特に色使いが渋くて、「これは娯楽じゃなくて問題提起を見ている」という気持ちにさせてくる。悪い意味ではなく、作り手が明確な意図を持ってトーンを設計した跡が見える。
読んで見たくなったら——サブスク配信はなし。Amazonで購入できる。
この作品が刺さる人・合わない人
刺さる人
- バブルガムクライシスを見て、世界観の「手前」が気になった人
- 90年代OVAの重厚な雰囲気が好きな人(キャラクターデザインの時代感も含めて)
- 若本規夫・玄田哲章・中尾隆聖の演技を目当てに見られる人
- サイバーパンクを「人間の定義を問うジャンル」として好きな人
- 毎話完結の連作形式が好きで、重めのテーマを短時間で消化できる人
合わない人
- 配信で気軽に見たい人(全滅なので物理メディアを用意する必要がある)
- BGCのようなポップなアクション展開を期待して入ると肩透かしになる
- ホラー・グロ描写が苦手な人(ボーマー関連の表現はかなりグロい回がある)
- 3話OVAとしての情報量の少なさに物足りなさを感じるかもしれない人
次に見るなら
バブルガムクライシス(1987〜1991)——ADポリスの「6年後」にあたる世界が舞台。ナイトセイバーズが登場し、同じボーマー問題をよりアクション寄りに描く。ADポリスで積み上げた世界観への理解が、BGCの細部をより深く読ませてくれる。
攻殻機動隊(1995・押井守版)——「人間とサイボーグの境界線」という問いを正面から扱ったSFアニメの金字塔。ADポリスと同世代の問題意識を持ちながら、より哲学的な方向に深掘りしている。ADポリスが物足りなかった人にこそ勧めたい。
NOIR(2001)——毛色は違うが、暗いトーンの連作短編・各話完結という形式が好きなら。女性二人の殺し屋アニメで、ミステリー寄りの雰囲気がADポリスの硬派さを好む層に案外刺さる。
配信・視聴情報
| サービス | 配信 | 月額 | 無料期間 | 作品数 |
|---|---|---|---|---|
| ABEMAプレミアムイチオシ | × | ¥680〜(税込) | 無料あり | 1,000+ |
| Amazonプライムビデオ | × | ¥600(税込) | 30日間 | 1,700+ |
| クランクイン!ビデオ穴場 | × | ¥990〜(税込) | 最大1ヶ月 | 7,000+ |
| dアニメストア | × | ¥660(税込) | 31日間 | 7,200+ |
| U-NEXT | × | ¥2,189(税込) | 31日間 | 6,000+ |
| DMM TV | × | ¥550(税込) | 14日間 | 6,300+ |
| Netflix | × | ¥890〜(税込) | なし | 1,600+ |
| Hulu | × | ¥1,026(税込) | なし | 2,900+ |
| Disney+ | × | ¥1,250〜(税込) | なし | 500+ |
よくある質問
まとめ
現在、ADポリスは国内の主要な動画配信サービスでの配信は確認されていません。視聴にはDVDなどのパッケージメディアや中古ソフト市場を利用する必要があります。バブルガムクライシスの世界観を深く楽しみたいファンにとっては、入手する価値のある一作です。


